モモンガのはなし
モモンガ、ハリネズミ、チンチラ、テグーなどを飼う方が増えてきました。確かに人気になるのも納得のかわいらしい動物です。モモンガはクリクリとした黒目に、硬いホウキのようなしっぽを持つ、リスのような動物です。体の側面に飛膜があり、手足を広げ滑空することができます。
モモンガは、アメリカモモンガやタイリグモモンガなどのゲッ歯類、つまりリスの仲間と、フクロモモンガという有袋類に分かれます。このフクロモモンガはオーストラリア原産で、コアラやカンガルーと同様にお腹の袋、育児嚢で子供を育てます。モモンガは夜行性ですが赤ちゃんの頃から慣らせば手のひらに乗るなど、とてもなつきやすい動物です。
価格もそれほど高くないことから気軽に飼い始める方が多いようです。選ぶ時には目、鼻、耳、お尻、生殖器周囲に汚れがないこと、脱毛部がなく、毛に艶があること、全体的にふっくらしていること、元気良くしっぽを振っていることなどを確認してください。購入したら最後まで責任を持って飼ってほしいですね。
カタツムリの話
カタツムリは地球上に800~1000種いると云われています。その中でも食べられるカタツムリ(エスカルゴ)は4種しかいません。小さい物は1mmから大きなものは20cm、腹足を伸ばすと40cmほどにもなります。庭や畑などの土の中、湿った土の上、木や葉の陰に棲んでいて、一般的に、乾燥したところが嫌いで、雨の日や湿った場所を好みますが、砂漠など乾燥地帯を好む変わったカタツムリもいます。
カタツムリは雌雄同体で、一つの体でオスとメスの役割をします。しかし、卵を産むためには、やはり2尾で交尾をし、土中に産卵します。カタツムリの生殖器は顔の横頬の辺りにあるので、顔を押し付け合って交尾します。暑い日中は、カラの入口に(エピフラムと呼ばれる)薄い膜で蓋をして、体が乾くのを防いでいますが、空気を吸うための小さい孔は空いています。 5~7月頃にかけて、湿った土中や落ち葉の下、腐った木などに卵を産みつけます。子供は2~3週間で孵化し、3ヶ月くらいで大人になります。
卵から孵化したカタツムリの赤ちゃんは、孵化した時にはもうカラが付いています。生まれた時は1巻半ですが、成虫になるとカラの巻数は4巻半~5巻半となります。海の巻貝は海水からCa(カルシウム)を吸収し、カラを作る事ができますが、陸の巻貝であるカタツムリは石灰質の石から吸収します。口内にはやすりの様な小さな歯のついた舌(歯舌)があり、葉や野菜の表面を削り取りながら食べます。
カタツムリは水の中に棲むサザエやタニシと同じ巻貝の仲間で、陸上生活をするようになった種類です。海岸の波しぶきがかかる場所には、キクノハナガイやカラマツガイなどの傘形をした貝がよくみられます。これらはカタツムリに近い種類といえます。動物の進化、分化は不思議で興味深いですね。
カブトムシとクワガタの話
カブトムシとクワガタはどちらが強いか?人気のある甲虫類で男の子達にとっては永遠のテーマですね。喧嘩早いのも人気の秘密かもしれません。6~9月に成虫が見られるようになります。これら甲虫類はクヌギやコナラの甘い樹液を求めて集まってきます。樹液にはカブトムシ・クワガタの他カミキリムシ・カナブン・スズメバチ・蛾・蝶なども集まってきます。樹液に集まる虫には力の強弱の順位によりメスの独占権があり、力が同じぐらいなら早い者勝ちで、譲らない場合は争いになります。この樹液を独占することで、メスの愛を獲得し、交尾をすることによって自分の子孫を残すことが出来るのです。
昆虫は体の割りに力が強く力持ちです。例えばアリは体重の50倍ミツバチは300倍カブトムシは100倍クワガタは150倍の物を動かしたり持ち上げたりする事が出来ます。熱帯地方にいるサイコガネは体重の850倍の重さのものを背中に乗せて運ぶ事が出来るとギネスに認定されています。カブトムシは6本の足全てに鋭い爪があり、木の幹に食い込ませて踏ん張り大きな力を発揮します。
さて、どちらが強いかということですが、カブトムシは相手を跳ね飛ばして勝負を決めるので、普通は角を相手の体の下にうまく入れた方が勝ちます。体の大きさも重要ですが、それよりもむしろ技が必要です。クワガタは跳ね飛ばしの決まり手だけでなく、クワで相手を挟み、投げ飛ばしたり、そのままクワを絞め続け首を切り落とすこともあります。結果、対戦相手が死ぬなんてこともあります。
ちなみにメスは喧嘩をしません。カブトムシは体長4~8cm体重10gで角を含めると日本で最大の昆虫です。一方、クワガタは体長4~7cm体重3~5gと小柄ですが、力はカブトムシの1.5倍もあるのでクラス別の組み合わせでは、クワガタの方が強いと云えそうです。但し、実際の場面ではカブトムシの方は体が3倍ほど大きい分、樹液を独占できる可能性は高そうですね。
クジラの話
大昔、魚類の中から両生類が生まれ、動物は初めて陸に上がり、それから爬虫類、鳥類、哺乳類へと進化しました。今から、4700万年前の大昔のクジラ(アンブロセタス)はなんと四本足で陸上を歩いていました。水辺で暮らしながら、足には水かきを持ち、水中を泳いでいたのです。そして3800万年前のドルドンは、前足はヒレになり、後ろ足は小さくなり、アザラシやアシカに近い形になっていきました。その化石を分析して鼻の穴が徐々に頭の上に移動したことも判ってきました。
クジラの潮吹きの噴気孔(呼吸孔)は、イルカやシャチのような歯イルカの仲間は穴が一つで、シロナガスクジラなど髭クジラの仲間は二つあります。クジラの潮吹きは噴気孔の周りの少しの水と、体の中で温められた湿った空気が一気に冷やされ水蒸気となり白く見えるものです。
クジラは哺乳類に分類されています。魚との違いは①肺を持ち、水の上で息をする。(魚はエラ呼吸)噴気孔は息がしやすいように頭の上にある(潮吹き)②体の中に前足の骨が残っている(魚のヒレには骨がない)後足の骨はなくなったものの、前ヒレには小さな骨が残っている③体温がいつも同じ(魚は周りの水温で変わる)35~37℃ 皮下脂肪が厚く 寒さから身を守っている④体を上下に曲げて泳ぐ(魚は左右に曲げて泳ぐ)背骨の仕組が上下(前後)に曲がりやすくなっている⑤子供を産んで母乳で育てる(魚は母乳を出さない)つまり体内で育ち、母親と同じ形で産まれ、母乳で育つなどです。
哺乳類のクジラが水中に潜っていられる時間はと言うと小型イルカで数分しかなく、シロナガス、ザトウクジラで15~20分程と以外に短いです。ただし、マッコウクジラは40分、長いときは1時間以上も潜水が可能で、水深3000m位まで潜りつづけることが出来ます。クジラには哺乳類の特徴である体の毛がほとんど無いのは水中生活に適応したためと考えられています。