地震による影響と対処法
質問:①今年で3才になるメス猫が我が家にいます。今回の震災があった日から少しでも揺れが起こると隅っこに入ったまま出てこなくなりすごく怯えてごはんも食べてくれません。どうしたらよいでしょうか?
②8才になるオスのチワワを飼っています。震災後からプルプルとずっと震えては、下痢を繰り返し、一時少し軟便に戻りましたが、余震が起これば下痢を繰り返しています。どうすればよいですか?
答え:雷等の音に慣れることは出来ても、地震の揺れに慣れるのは難しいようです。一番大切なのは飼主さんとの信頼関係です。不安に感じている様子でしたら、抱き上げて膝の上に乗せてあげたり、よしよしと優しく撫でてあげたりしてください。それでもだめな場合は、精神安定剤や、抗不安薬等を処方することもできます。下痢が止まらない場合も整腸剤や下痢止め等に併せてそのような薬を処方できますので、お早めに動物病院までご相談下さい。
また、高齢(だいたい6~7才以上)のわんちゃん、ねこちゃんの場合は、その裏に基本的な疾患が隠れている可能性もあります。症状が一向に治まらない場合は便を持参して一度診察を受けてみるのもいい機会かもしれません。高齢のわんちゃん、ねこちゃんには、ストレスが意外な方向で悪影響を及ぼしてしまうこともありますので、よく観察する事が大切です。地震のせいだろうと単純に思い込んでしまうと、重大な疾病を見過ごしてしまう可能性があります。大変な時期でもありますが、ペット動物は飼主さんが思っているよりデリケートです。神経質になる必要はありませんが、こまめなケアも必要です。がんばりましょう。
東日本大震災の現状報告
3月11日の地震発生大津波による被災から2週間、遅ればせながら現地を視察する機会がありました。3月27日早朝、救援物資としてペットフードやおやつ1トンを積み盛岡を出発、宮古小学校、山田高校、大浦漁村の各避難所を視察しました。津波が襲った地域は壊滅的で町は消失し瓦礫の山となっていました。建物は残ったが浸水した地域も使えなくなった家具や電化製品、寝具等が道路に沿って積み上げられ異様な光景でした。人と一緒に避難した動物は命があったものの、水没した地域ではほとんど死亡したと推定されます。
避難所にいた犬も、まだ家がある方は自宅に連れ帰り、世話だけをしに帰っている飼主さんも多くあるということでした。私たちが訪問した際に外につながれている犬は皆無でした。室内犬では、避難所で一緒に生活をしている犬もいて、周囲の人たちのアイドルになっている犬も見受けられ、アニマルセラピーを実践されていました。一方で、動物が苦手という方々も同居されていますので、肩身の狭い思いをされている飼主さんもいらっしゃいました。
現時点では一次的な救護活動は必要なく、次の段階に入っていると思われます。(怪我や病気で困っている方はいませんでした。シャンプーや普段の手入れが出来ず体が匂う・痒がるなどの訴えはありました。他の人に気を使ってしまう)今後の取り組みとして、何ができるか?何をしなければならないか?拠点になる病院がしっかりと機能していることが重要で、そのサポートをしていく必要性は大いにあると思われました。